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AIチャットボットに関連する記事を投稿します

旅行/ホテル業界のカスタマーサービス用ボット

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「チャットボット?ああ、そんなのあったね」と語られるような時代がくるのかはまだ分からないが、市場に現れた初期のチャットボットは欠点だらけだ。

The Guardian (ガーディアン紙)はCNNやHi PonchoのようなBotは不自然さばかりで、かなりイライラさせるものだと批判した。チャットボットが自然な言語(例えば「配信を解除したい」というテキストを理解しない)を認識しないためにユーザーがチャットボットからのメッセージ配信を解除できないとしたら、それはユーザーにとって深刻な問題であると開発者は理解しなければならないだろう。

しかしながら、過去数ヶ月のテクノロジーイベントにおいて、チャットボットというバズワードが登場しない回はなかったかもしれない。それほど現時点においては未来を切り開くことを期待されたテクノロジーとして認知が進んでいる。2016年4月、Facebookは特にカスタマーエンゲージメントに特化したチャットボットを発表。それ以来、ディベロッパーはWatsAppやSlackなどのメッセージサービスを利用してチャットボットを開発している。

今回は旅行/ホテル業界において、人工知能×チャットボットでイノベーションを目論む企業を紹介したい。

基本的には旅行におけるフライトやホテル予約、レストラン検索などのサービスを提供することを目指しているが、例えばフライトの変更などは何らかの理由で急に必要になることが多く、その場合にチャットによるやり取りのみでスムーズに手続きが完了することが出来れば利便性は向上することは間違いなさそうだ。カスタマーエクスペリエンスとしてはUberをチャットで誘導する形に近いのかもしれない。

Edwardian Hotels London

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Edwardian Hotels London(EHL)は、ホテルサービスにチャットボットを導入した。2016年より、このホテルチェーンはバーチャルコンシェルジュ、Edwardをゲストに紹介している。チャットボットを通して、ゲストはアメニティ(タオルの追加やルームサービス)を確認、リクエストできるようにしたり、地元のバーやレストランの情報を確認したり、クレームを言うことも全てテキスト一本でできる。

Edwardは「中華料理を食べるにはどのレストランが一番良い?」や「町へ行くにはタクシーでいくらかかる?」のような会話での複雑な要望を、自然に理解できるような言語能力を持つという。

 Lola travel company

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Lola travelは2015年に設立された新興企業だが、すでに20億円近くを調達済の大型スタートアップだ。ホテル、フライトなど旅行に必要なものを全てチャットにて予約、管理できるそうだ。もともとKayakのPaul Englishが立ち上げており、現在はベータ版の運用とのことでまだ大部分は人手による運用のようだ。

Hyper

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2014年12月に設立されたスタートアップで4000万円超を調達済だったが、2016年5月にTradeshiftによって買収された。主にビジネス旅行用のチャットサービスに注力していた模様だが、今後はTradeshift傘下で旅行予約アシスタントの開発を続けていくとのことだ。

Pana

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500 Startups出身で2015年に設立されたスタートアップだ。1.5億円程度を調達済。200人までの従業員が対象なら、月額19ドルから利用可能だ。

HelloGbye

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カナダ発の旅行予約スタートアップ。2015年設立とのことで、他スタートアップと同時期の立ち上げだが、音声認識を前面に出すことで差別化を図っているようだ。

Wayblazer

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IBMのWatsonを活用したAIを特徴とする2014年設立のスタートアップIBMより5億円の資金調達済。

Hipmunk

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2010年設立のオンライン旅行予約サービスに特化したスタートアップだが、Hello Hipmunkというサービス名で、人工知能を活用した旅行計画アシスタントを提供している。ユーザーが、Googleカレンダーにアクセスするための権限を与えると、旅行関連イベントをスキャンし、予約オプションを提示するとのことだ。

 

特に、ビジネス出張ではフライトの変更やレストランの予約、タクシーの手配などスムーズに解決したい課題が山積みで、ほぼ時間を掛けずにストレスなくこのような手配を行うことができるのであれば間違いなくニーズはありそうだ。