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AIチャットボットに関連する記事を投稿します

変わる時代と顧客へのアプローチ

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何千年という歴史がある人類ですが、テクノロジーが急激な進化を遂げたのは、ここ数年であると言われています。

特に、インターネットが生まれてから、人々の生活はガラリと変わりました。普通に暮らしていたなら出会うことのない遠方の人とも、気軽にコミュニケーションが取れるようになり、人はより簡単に自分の「仲間」を見つけることが可能となったのです。

 

広がる仲間とソーシャルネットワーク

人が趣味や好きなものを見つけたとき、これまでであればひとりでひっそり楽しむといった方法をとる人が多かったように思います。しかし、SNSの普及により、個人で楽しむのではなく、同じものを好きな仲間と一緒に共有する、共感する、といったことが可能となりました。自分の趣味や好きなものをオープンに公表し、共通の話題を通してコミュニケーションを図るといったことが主流になりつつあるのです。

 

新たなアプローチとして生まれたチャットボット

2018年4月。映画において2018年上半期一位を獲得した「名探偵コナン ゼロの執行人」が公開されました。興行収入は86憶を超え、二位である「映画ドラえもん のび太の宝島」とは33憶円もの差を生み出し、大ヒット作品となりました。

この映画「名探偵コナン ゼロの執行人」大ヒットの裏には、多くの仕掛けが行われていました。

そのひとつである、映画の主要キャラクターである安室透(あむろとおる)のチャットボット化。映画「名探偵コナン ゼロの執行人」に合わせ、安室透と会話ができるというチャットボットが公開されていたのです。

 

キャラクターとチャットボットから生まれる経済効果

株式会社小学館発行の、週刊少年サンデーで連載されている大人気漫画、名探偵コナン

その漫画の登場人物である「安室透」をそのままチャットボットにするという行いは、映画「名探偵コナン ゼロの執行人」の宣伝、そして原作漫画の売上増大のため行われました。

この安室透とチャットが楽しめるという試みは、すべての顧客へ向けてではなく、書店で対象コミックスを購入した人のみという、限定的なものとして展開されました。購入者には「キャラクター名刺」が配布され、その裏に印刷されているQRコードを読み取ることで初めて安室透とお友達になれるのです。コアなファンの心をくすぐる、特別感という付加価値も提供されていました。

このチャットボットは限定的なものでしたが、その反響は大きく、LINEにより展開された安室透の友達登録数は20万人を突破し、そのやり取りの様子はTwitterで拡散されるなど、顧客間でのコミュニケーションとしても爆発的なヒットを記録しました。

 

キャラクターと会話を行うことで強まるエンゲージメント

キャラクターが生きている。そう錯覚をさせることができる力を持つチャットボット。

日本にはキャラクター文化が強く根付いており、近年では海外にも広がりを見せています。今では漫画やアニメといったキャラクター文化に多くの企業が参入するなど、日本の大きな市場のひとつとなりました。

ここまで市場が拡大したのも、テクノロジーの進化により、顧客同士がコミュニケーションを行えるようになったからです。顧客同士のコミュニティが作られ、SNS上で拡散されることで、より多くの人の目に留まるようになり、爆発的なヒットが生まれる時代へと変わってきています。

今後、顧客同士のつながりを強固にする、「話題性のある物」を提供することが、企業に求められるようになるはずです。

顧客の求めるものを見極めていくことこそ、これからさらに進化していくだろうテクノロジーの世界に必要なことでしょう。