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AIをひとつの個体として見る日本人の特性

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キャラクターとAI。一見なんの関係もなさそうに見えますが、実は日本においては重要な役割をもっています。

日本のAI産業は、AI大国であるアメリカや中国に比べると、まだまだ発展途上です。アメリカでは、FacebookGoogleMicrosoftといった、世界的大企業がAIの開発にのりだし、中国は莫大な国家予算をAI開発の資金に充てています。現段階では後れを取っているように思えますが、日本はこれまでにも少しずつ独自の進化を遂げてきました。AI産業においてもそれは同様であり、日本人の感覚は諸外国とは異なっていることがわかってきたのです。

 

日本人はAIをインターフェイスではなく、ひとつの「個体」として見る

日本と他国の違いは多くありますが、その中でもAI産業の中で重視するのは、日本人にはキャラクターを一個体として愛でる文化があるということです。Twitterのトレンド機能で、キャラクターの名前がランキングに入っているのを見たことがあるでしょうか?

日本人は本来なら存在しないはずの架空のキャラクターでも、あたかもそこにいるかのように、人間と同じように接する性質を持っています。

 

実際にキャラクタービジネスが動き出している

このキャラクターとAIにおいては、様々な企業が注目をしはじめており、2018年9月19日には、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント主催の「AI MEETUP 2 -Powerd by Sony Music Entertainment- AIキャラクタービジネス最前線」が開催されました。

ソニーミュージックエンタテイメント主催のこのイベントは、今回で二回目の開催となっております。キャラクターとAIを融合させ、ビスネスとして確立させていくための手法を解説しています。キャラクターそのものを製品とするのではなく、AIを搭載した会話できるキャラクターとコラボレーションさせることにより、顧客の関心を集め、宣伝としての役割も担うことが可能です。

 

AIとの会話において大切なこと

人が何の接点もない人と会話を行うには、なにかしらの理由が必要です。「知りたいことがあった」、「興味があった」、「話さなければならない必要ができた」、「共感してもらいことが起きた」といった風に、会話をはじめるきっかけがなければ、人は存在を認識していても会話をするまでには至らないのです。

これはAIを使用した場合にも当てはまります。AIが今ほどあふれていなかった時代であれば、AIと会話をできるというだけで、人は興味を惹かれ、会話をしてみようという行動欲求へと変わります。ですが、これからますます人工知能は進化し、その数も増えていくと予想されます。市場に人工知能が増えた場合、物珍しさは減少していき、人は進んで会話を行おうとはしなくなっていくでしょう。

地球上には多くの人がいますが、その中で実際にコミュニケーションをとる人数はほんのわずかです。時間は有限であり、その時間をかけるだけの欲求がなければ、人は会話を行うことはしないのです。

会話してもらえる仕組みづくり

AI市場において、日本人の、「AIをひとつの個体として認識する」ということは、大きなチャンスでもあります。キャラクターに搭載されたAIと会話をする際に生まれる、「好きなキャラクターと話したい」という欲求は、好きな人と話したいという欲求にとてもよく似ています。また、日本人はAIやキャラクターに向かって愛をささやくことも、わかってきています。ただのAIであれば話しかけてもらうことすら困難なところを、AIとキャラクターを癒合させることによって、興味関心を持たせることができるのです。これにより人がAIと会話をはじめるハードルを下げることが可能です。

 

 日本人の特性とキャラクターは相性がいい

日本は世界各国と比べて、今ある物を別の形に作り替えることや、古いものと新しいものを融合させることを得意としてきました。日本人のクリエイティブな面は諸外国とはやや異なっているため、多くのものに親しみやすさを求める傾向にあります。AIを機械的インターフェイスとしてよりも、細かく設定がされたキャラクターに親しみやすさを覚えるのも、その特徴のひとつです。

これからテクノロジーの進化にともない、多くの製品にAIが搭載されていくことが予想されます。また、ひとりひとりにバーチャルアシスタントが付く未来もそう遠くないでしょう。テクノロジーとキャラクターの融合は、日本の社会において大きな可能性を秘めています。

個々に合わせてキャラクター付けされ、求める回答を即座に提示してくれる存在が生まれたなら、日本の社会はまた大きく変化していくことでしょう。