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AIチャットボットに関連する記事を投稿します

8ヶ月でレコード$1Mの売り上げを達成したReplyYes

チャットボットが勝手に物を売ってくれたらどんなに楽なことだろう。そんな夢のようなことを考える小売業者が耳を疑うような結果を出しているスタートアップがある。

小売業者に向けてテキストのみでユーザーが物を購入する仕組みを提供するReplyYesというスタートアップは、メッセージングを自動化することで、現在アナログレコード、グラフィック小説(いわゆるアメコミ)を販売する。

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8ヶ月でレコード$1 Millionの売り上げを達成

The Editというビニルレコードのストアでそのサービスは提供されている。8ヶ月前にデビューして以来、そのストアはレコードを計$1 Millionを販売したというのだから驚異的だ。旧Amazon.comのゼネラルマネージャーであり、ReplyYesの最高経営責任者(CEO)デビッド・コッターによれば、購買行動や顧客の興味関心のデータに基づいてレコードをレコメンドするアルゴリズムがかなりの要素を占めていると言う。一方で、全てのやり取りを自動化している訳ではない、とのことだ。

現時点では米国のみでの運用とのことだが、どのようなサービス内容かを見てみよう。まず、ユーザーは、テキストメッセージを受信するためにThe Editのサービスにサインアップする。その後、ユーザー自身のモバイルに毎日レコードに関するレコメンデーションが送られてくる。そのようなレコメンデーションを受けると、ユーザーは「Yes」、「Like」、「Dislike」とテキストし、その興味度合いを返信する。この返信内容によって、次のレコメンデーションにおいてどのようなレコードが薦められるかが影響してくる。「Yes」と答えると、数回のクリックでアルバムを購入できるようにリンクが表示されることとなる。The Editは、数万人の登録ユーザーに対し、すでに50,000ものレコードを販売済とのことだ。

必要に応じてヒトが介入

もちろん、それだけではない。例えば、顧客が「今かかっている曲はなんだろう?」というような質問を投げかけた場合、担当者が迅速に介入し、エンゲージメントに向けたコメントを提供するらしい。また、ユーザーがすでにレコードを購入する準備ができているが、クロージングが実行できていない場合は、チャットボットが担当者を呼び出すことも実施されているとのことだ。

購買率が高い理由

デビッド・コッターが言うには、登録ユーザーの68%がこのサービスを通して購入した経験がある。また、半年以内に6枚以上のレコードを購入したユーザーは28%も存在するらしい。彼の説明によれば、こういった購買率の高さは忠誠心の高まりによる行動によるものだ。

「近所のなじみのレコード屋の感覚なんだ。そして、機械学習とチャットボットの特徴を、こういった感覚を大切にしながらどう活かせるかを考えている。今は1日に300ものアルバムが売れるよ。」

ReplyYesのやり方は、FacebookMicrosoftが志向する100%自動応答の世界観とは少し異なるもので、一部を自動化、一部をヒトによる対応と作業分担している。つまり、何か新しいアイデアというよりは、従来存在していたビジネスモデルではある。

直近ではVCなどから$2.5 Millionの資金調達に成功しており、今後の展開が楽しみな会社だ。