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AIチャットボットに関連する記事を投稿します

チャットボット保険「Lemonade」

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Lemonade

Lemonadeというインシュテックスタートアップが注目を浴びている。

同社は、米国ニューヨーク州に住む賃貸人や物件オーナーに対し、家財に対する保険を提供する会社だ。ユーザーは使い慣れたメッセージアプリ形式のUIでチャットボットとやりとりを行うことで、自身に合った保険プランと保険料を簡単に知ることができ、商品内容が決まれば、その足でアプリから申込み、保険加入が完了するという非常にお手軽なサービスである。

 

Lemonadeは2016年にニューヨーク州保険業認可を取得し、保険販売を開始したばかりのスタートアップ企業であるにもかかわらず、保険加入者は急速に伸びているそうだ。サービス開始から8ヶ月で14,300契約を達成し、前月比43%増加という急成長を達成しているとのことだ。

 

2015年にSequoia Capitalという著名ベンチャーキャピタルから$13mmを調達して一躍有名になったが、先日ソフトバンク主導による巨額出資(約135億円)が話題となった。

 

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ソーシャルインシュランス

元々、保険とは、加入者の「相互扶助」が基本的な仕組みだが、まさにLemonadeのビジネスモデルはその仕組みを体現している。

 

その仕組みのイメージはこうだ。

まず、保険の加入者同士が少人数のグループをつくり、加入者が払う保険料金の一部をプールする。保険請求があった場合にはプールから保険金を支払い、プールを超えた分については外部の保険会社から支払う。

また、お互いの持ち出しから保険料が支払われる以外にも、一年間保険の請求がなければ翌年の保険料をディスカウントされるという仕組みも存在する。

そうなると保険の加入者は安易な保険請求が起こらないよう、お互いに支援しあうインセンティブが働くようになる。

まさにソーシャルインシュランスの代表例と呼べるだろう。

さらにユニークな仕組みが、保険加入者が支払った保険料のうち、請求がなかった余剰金をチャリティに寄付するというものだ。

ユーザーは、ニューヨーク州の貧困支援、女性の支援、病児支援など、Lemonadeが提示するプランから貢献したいテーマを選び、保険が未請求だった際の保険料をそのチャリティに寄付することができる。

社会課題にまで貢献するという非常に新しく、またいわば保険の本来の目的である相互互助を実現するこの仕組みこそ、多くのユーザーに共感され、また資本家の評価も高い理由だろう。